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案内役は・・・

  そのときはじめて生牡蠣を食べたんです。レモン汁かなんかかけて貝殻ごと手で持ち、ジュルジュルっと。下北沢の居酒屋でした。高校のときの友達Fさんと私とカウンターに座りながら、酒を飲みながら(そのときは飲めた)。「えー初めて食べるの?」とFさんは驚いていました。他にも何か食べたけど覚えていませんね。カウンターの端っこに20代後半くらいの男の人たちが3人くらいいて、やはりお酒を飲みながら話をしていました。スーツは着てなくて、学生にも見えない。何かについて熱心に意見を言い合う感じ。「劇団の人とかなんじゃない?」とFさんに言われ、そうかぁ、ここはシモキタ、でもほんとうにそういう人がいるんだなぁ、すごいなぁ・・・と妙に感心してしまい、芸能人でもないのに(劇団の人かどうかもわからないのに)チラチラ気にして見てしまいました。
 Fさんと私もお互いの近況を話つつかなりいい気分になったころ、Fさんの彼氏登場。「呼んでよ、見たい」って私が何度も言ってたら本当にキタわけです。同じ学生だったか、フリーターだったか。少し太っていたけれど、白シャツにベージュのパンツというシンプルでさっぱりとした格好をしていました。3人でどんな話をしたかよく覚えてないけれど、Fさんの彼氏は演歌が好きでレゲエも好きだと言い、それを聞いたFさんがキャハハと楽しそうに笑っていたことは確かな記憶です。
 終電の時間も過ぎていたし、完全に酔っ払っていたし、FさんとFさんの彼氏もイチャついているし、どこか朝までやっている店に行こうということになりました。Fさんの彼氏の知り合いの店、だったと思います。やっぱり下北沢で(多分)、店の外にいすがあり、そこに男の人がひとり座って楽器を叩いていました。太鼓みたいな、名前はわからないけれど。私たちがその店に近づくと男の人はさっと立ち上がって店の中に入り、さらにカウンターの中に入り、いらっしゃい、かなんか言ったと思います。薄暗い店内は狭くてカウンターしかなく、お客さんはいないのかと思ったら、男の人がひとりギターを抱えて一番隅っこに座っていました。ギターの人はちょうど照明代わりのろうそくのほのおの向こう側に居たから、失礼かもしれないけど、ぼわーっと湧いて出てきた感じがしました。少し、酔いが醒めたような。
 太鼓の人=店主は気さくな人で、何よりイケメンでした。私は鼻の下のほくろが気に入らないからどうやって取ればいいのか教えてほしい、と太鼓の人に聞きました。知らないし、たいしたことじゃないと笑われました。Fさんの彼氏が、「なんかおもーい感じのレゲエないっすかね?」とリクエストすると、太鼓の人は軽く笑ってBGMを変えました。Fさんは酔いつぶれて、カウンターにふせて寝ています。時々ギターの人がギターを鳴らしていました。そこへFさんの彼氏の友人でスタイリスト(のたまごだったか)をしている女の人が合流しました。すっぴんだったけど、整った顔立ちでキレイだったし、何気なく羽織った茶色い薄手のジャケットが古着っぽくてカッコよかった。「ゴダール」、映画の話になって、彼女がそう言ったので、私も映画は好きだったけど、全く話が続きませんでした。Fさんの彼氏の友人が帰った後も、私たちのどうでもいい会話は続き、ギターの人はボチボチとギターを弾いていました。シモキタってこういう感じなんだと、私は思いました。その店も集まる人も私が今まで知らない独特の空気がある。この街も人もなんか特別なんじゃないかと。
 「もう始発あるんじゃない?」と太鼓の人に言われて、お会計。でも、私はもうお金を持っていませんでした。誰か、FさんかFさんの彼氏かが「ある、ある」と言っていたからあてにしていたんですが・・・Fさんの彼氏もFさんもお金は持っていませんでした。どうしようって、みんな焦っていると、太鼓の人が、「ちょっとぉー、どういうこと?」ってさっきまでの気さくな感じから一変して低い声で聞いてきます。ギターの人は表情を変えずにジャランって1回音を鳴らしたと思います。”はい、残念”って笑われたように聞こえました。結局、Fさんの彼氏の友人のスタイリストさんにもう一度来てもらい、もちろん寝ているところを起こして、お金を借りてなんとか済ませました。太鼓の人にもう一度叱られて、スタイリストさんにも何度も謝って、私たちは店を出ました。気持ちよい朝、のはずがどうにも後味の悪い感じに。それから下北沢の駅でそれぞれの電車に乗って別れました。
 
 「キャンセルされた街の案内」。短編集です。装丁がちょっと凝っています。カバーをとると全体に地図があらわれて、すべての物語の舞台がその地図に表示されています。東京も大阪もソウルも一つになった変な地図。といってもストーリーはそれぞれバラバラでつながりはありません。カバーはエアメールのようなデザインですね。小さな窓が開いていて地図が少し見えるようになっています。これは文庫化になったら多分、全然違う装丁になってしまうんじゃないでしょうか。わからないけど。
 読んだ感想・・・うーん、ま、そういうこともあります。が、どういうわけか、この本がガイドとなってシモキタの記憶にたどり着きました。今となっては全然笑い話でも、当時はかなり恥ずかしかったなぁって。あれから太鼓の人の店に行くことはなかったし、Fさんの彼氏に会ったのもあれが最初で最後ですね。特別だと思ったあの感覚も、お金ない!、一瞬にして冷めてしまいました

 


感想はなし
ウチの前に置いてあった
今もまだあります















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