☆here and there★

diary・books・photo・57577
<< February 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -
<< ジョゼと虎と魚たち (角川文庫) | main | その答えは風に吹かれて >>

食堂かたつむりへようこそ

 ある日、倫子が仕事先から帰ってみると、家の中のものはすべてなくなり、同棲相手のインド人もいなくなっていました。いつか二人でお店をやろうね、と約束を交わしたインド人の恋人です。
 失ったものはもう一つ、自分の声。倫子はショックから声がでなくなってしまいます。
 残ったものは祖母の形見であるぬか床。そして自ら磨いた料理人としての腕。失ったものは失ったまま、残ったものだけを抱えて、倫子は生まれ故郷の田舎町へと夜行バスに乗りました。
 倫子の家族は母一人。倫子は母が嫌いです。自分は、愛人の子、という噂もあったし、母親は田舎くさいスナックのママ。いつも香水の匂いを振りまいてだらしない生活をしている、ように倫子は感じていました。本当は世話になるのは嫌だけど、ここにおいてもらうしか仕様がない、倫子は母に頭を下げ、豚の世話をする約束で実家に住まわせてもらうことになります。
 倫子がその田舎で思いついたこと。私は料理しかできない、この腕を生かして食堂をやってみよう・・・何もかも手作りの店、食堂かたつむりはオープンしました。お客さんは一日一組。事前に打ち合わせをしてお客さんにピッタリのメニューを考えます。倫子は心をこめて料理を作り、それを食べたお客にはなぜか不思議なことが起こります。やがて食堂かたつむりの評判は広まるのですが・・・。

 「人が幸せになるにはごはんを作ればいいと僕は思う」ってコウケンテツさんのレシピ本のタイトルにありました(↑recommend)。長いですが。今の世の中、腕をふるって料理なんかしなくても、すぐに簡単に空腹を満たすことができます。満腹になればとりあえず幸せだから、いい気もするけれど、ごはんを作る、料理するというその行為はどうなんでしょう?
 たまねぎ切ったら涙が出るし、キャベツの千切りは短冊みたいで、ハンバーグは星型にもできる。炒め物は鼻歌がつくし、煮物は煮える音自体が鼻歌のようだし。豆板醤?なんて中華街の中国人しか使わないと思っていたものが、家の冷蔵庫にはあり、豆板醤がレシピに出てくると、”アルヨ”とカタコトで言ったりして・・・ちょっと楽しいですよね。
 今のは私の話ですけど、”料理がストレス解消”と言う人もあるように、頭も体も使う料理は人の気持ちを豊かにしてくれる行為なのかもしれません。
 料理をして食べる、これは人の生活の基本です。「食堂かたつむり」はその基本的な行為を軸にしてストーリーを展開させていきます。最初はほのぼの”かたつむり”で、ドラマチックな感動もあったり、ちょっとグロテスクな場面を過ぎれば、悔しいけど涙が出ている、といった感じ。
 基本って実はとても単純なことです。でもその単純なことを積み重ね、繰り返すことが”生きている”という証拠です、かたつむりに教わりました。さぁ、食うぞぴかぴか

 
 倫子が世話をする豚の名前はエルメス。かなり上等な豚みたいです。豚肉っておいしいですよねぇー。今日は豚のしょうが焼き、エルメスで作りました!
   水もなき光もなき風もなき だたチョコ一片で発芽する
books | comments(0) | -

スポンサーサイト

- | - | -

この記事に対するコメント

コメントする